衛星測位技術の革新的な進歩により、GPS/GNSSを用いた測位サービスは飛躍的に利便性の高いものとなり、私達の日常生活にも必要不可欠なものとなりました。
特に、2010年以降整備の進められている「準天頂衛星(QZSS)」が2018年度に4機体制となり、我が国における衛星測位サービスはますます機能性を高め、さらなる利用シーンの拡大に大きな期待が寄せられています。
建設分野においては、国土交通省が「i-construction」という概念を提唱し、ICTの全面的活用による建設現場の生産性向上や、測量・調査・設計・施工・維持管理の合理化や高度化などを推進し、建設生産システム全体の底上げを図る取り組みが進められています。
また、今後著しく老朽化が進行する社会インフラの維持管理を適切に実行し、インフラの長寿命化を実現することも大きな課題となっています。
防災分野においては、近年の異常気象に伴う災害の頻発・激甚化への対応とともに、膨大な数の災害危険箇所を、限られた財源や管理体制のもとで効率的かつ適切に管理することが求められています。
防災上問題のある重要点検箇所を長期間にわたってモニタリングし、その安全性を継続的に評価することによって、効果的な防災・減災体制を構築することが課題となっています。
本研究会は、このような各分野の重要課題に対応すべく、技術革新が著しいGPS/GNSS測位技術によって計測される変位データをもとに、高品質な計測情報をインターネットで配信する計測・監視サービス(shamen-netサービス)の技術的研鑽と普及活動を通じて、社会貢献することを目的に活動しております。
本研究会における取り組みは、国土交通分野における宇宙開発技術の利用推進に多大な貢献をしたとして、2016年3月に「第2回宇宙開発利用大賞・国土交通大臣賞」を受賞しました。
本研究会が提供する計測・監視サービスが、建設事業や防災・減災に対して非常に有用であることに高い評価を頂いたわけですが、今後も常に最新の技術動向やニーズを取り入れ、さらなる社会的要請にこたえるべく、活動を推進してまいります。
左:国土交通省 江島潔大臣政務官 |